2025年に向けて進化する訪問看護の現状と課題を探る
2025年、新型コロナウイルスの影響を受けながらも、訪問看護ステーションの稼働数が過去最高の18,743件に達しました。これは昨年比で1,414件の増加を示し、訪問看護のニーズが高まり続けていることを反映しています。この現象は、特に高齢化が進む日本において在宅ケアの重要性が広く認識されている結果です。
訪問看護ステーションの発展
全国的に見て、訪問看護ステーション数は15年連続で増加しており、特に2012年に介護保険法が改正され、ダブル報酬改定が実施されたことが、成長を後押ししています。これにより、訪問看護の報酬が見直され、ステーション数は約三倍に増加しました。この13年間の年平均成長率は8.8%に達し、医療と介護の複合的なニーズが拡大していることを示唆しています。
令和7年度における新規開設された訪問看護ステーションは、過去最高の2,487件で、前年に比べて更に増加しています。この数値は、特に団塊世代が後期高齢者となるこれからの時代における訪問看護の重要性を物語っています。
廃止・休止の現実
一方で、訪問看護ステーションの運営には厳しい現実も存在しています。今回の調査では、廃止が886件、休止が355件と、いずれも過去最多を記録しました。事業協会によると、廃止の主な理由は「従業員確保が困難」で22.7%となっており、さらに「管理者が退職した」というケースも見られます。これは、看護師の担い手不足に直結している課題であることを示しています。
休止の理由としては「人員基準に満たなくなった」や「利用者が少なく経営維持が困難」というものが挙げられ、特に「人材確保」と「利用者数の減少」の2点で事業の維持が困難な状況にあることが浮き彫りになりました。
在宅医療の未来
訪問看護ステーション数の増加は、高齢化社会における在宅医療のニーズの高まりを反映しています。今後も2040年に向けて、更なる在宅医療の需要増加が予測されており、これに応じた体制の強化が必要です。
ただし、同時に課題への対処も急務です。看護に集中できる環境作りや、スタッフが働きやすい職場環境の構築が求められています。また、多職種との連携を高めることで、利用者を安定的に確保し、地域に根ざした医療サービスを提供することも重要とされています。
eWeLLの取り組み
株式会社eWeLLは、こうした課題に対応するため、訪問看護向け電子カルテ「iBow」を初めとする多様なDX支援サービスを提供しています。これにより、業務効率化と患者のQOL向上を実現。特に、介護業界においてのニーズに応え、看護師の負担軽減に寄与する施策を推進しています。
また、「iBow 事務管理代行サービス」や「けあログっと」などのサービスを通じて、訪問看護の基盤を支えています。今後も、地域包括ケアの実現に向け、さまざまな情報発信やセミナーを通じて、訪問看護の未来を一緒に築いていく所存です。
訪問看護は、今後ますます重要な役割を担うことでしょう。それに伴う課題を解決し、より良い地域医療の構築を目指す取り組みが求められています。