介護におけるおむつ使用に関する意識調査の結果と課題

近年、日本は超高齢社会へと進んでおり、介護サービスの需要が高まっています。そんな中、排泄介助に関する負担やおむつ選びの難しさが浮き彫りになっていることが、最新の調査結果から明らかになりました。株式会社エス・エム・エスによる調査は、介護家族340名とケアマネジャー420名を対象に、排泄ケアに伴う様々な問題点を探りました。

調査結果の概要

1. 介護家族の負担感

調査の結果、昼夜問わず介護家族の約3人に1人が排泄の介助に対して強い負担感を感じていることが分かりました。特に、夜間の排泄介助に関しては、6割以上が「非常に負担を感じている」と回答しており、介護における精神的、身体的な負担がいかに大きいかを示しています。

2. おむつ使用に関する課題

調査において、一番多く挙がったおむつついての課題はコスト（51.1%）と漏れの心配（51.1%）で、次いで臭いの問題が47.7%と続きました。さらに、おむつのタイプ選びに関する不安も多く、「どのタイプのおむつが良いかわからない」という声が55.1%に達し、介護家族にとっておむつ選びの情報が十分ではないことが浮かび上がりました。

3. 心理的抵抗感

ケアマネジャーへの調査では、約64.5%が被介護者が「恥ずかしい」「情けない」と感じることが、心理的な抵抗感に繋がると回答。また、商品デザインの見た目が理由で導入が抵抗あると感じたケアマネジャーもおり、約4割が「おむつらしくないデザインであれば」と回答しており、これが抵抗感の軽減に寄与する可能性が示唆されました。

4. 介護家族・ケアマネジャーのブランド認知

調査によると、介護家族やケアマネジャーの間で認知されているおむつブランドは「ライフリー」が最も高く、次に「アテント」が続くことが分かりました。認知による選択肢も重要で、ブランド戦略の見直しが求められる可能性があります。

まとめ

介護家族やケアマネジャーが抱える排泄介助に関連する負担感や抵抗感は、今後の介護システムにおいて重要な課題です。特にネットを活用した情報発信や製品のデザイン改善が、介護実践の質の向上に繋がる重要な要因と言えます。今後も、こうした調査結果を基に、より多くの声が反映された製品開発が求められます。介護家族のニーズに応えるような情報やサービスを提供することが、必須な時代が到来していることを実感させる結果でした。