福岡市のオフィス市場動向：空室率上昇と賃料の動き

福岡市のオフィス市場動向

福岡市のオフィス市場に関する最新のデータが公開されました。三幸エステート株式会社が発表した「オフィスマーケット2025年5月号福岡」によると、2025年4月度の空室率は2ヵ月連続で上昇し、前月比でプラス0.28ポイントの4.71%となりました。この上昇の要因としては、いくつかの新築ビルが空室を抱えていることが挙げられています。

特に注目すべきは「天神エリア」で、ここでは空室率が前月比で1.6ポイントも上昇し、8%台に達しました。このエリアは2013年12月以来の高い数値となっており、再開発が進む中でも空室が増えていることが示唆されています。ただし、今後の契約手続きが進むことで、空室消化が期待されています。

博多と呉服町の影響

博多駅前エリアでは募集床が限られているため、需要が呉服町エリアにも波及している様子です。実際にこのエリアでは空室の消化が進みつつあります。福岡市では大規模なビルの供給が続く「天神ビッグバン」や、最新の開発プロジェクトが街の活性化に寄与しており、将来的なオフィス需要の上昇も期待されています。

賃料の変動

一方、福岡市のオフィス賃料は最近3ヵ月間で上昇を続けていましたが、今月は前月比114円マイナスの15,438円となり、3ヵ月ぶりの下落を記録しました。それでもなお、賃料は15,000円台半ばで推移しており、安定した水準を保っています。

将来の展望

福岡市は近年、経済や文化の中心として注目を浴びています。特に天神エリアは「ヒューリックスクエア福岡天神」や「ONE FUKUOKA BLDG.」といった新築ビルが立ち並び、賑わいを見せています。これにより、インバウンド需要も加わり、エリアの魅力が一層高まっています。

今後、福岡市のオフィスマーケットはどのように変化していくのか、引き続き定期的にデータを追っていく必要があります。ビジネス環境の変化を捉えることで、より良い選択ができるでしょう。