新しいサービスが切削加工業界を変える
切削加工を行う企業にとって、部品調達は非常に重要なプロセスです。株式会社ミスミグループのAIプラットフォーム「meviy(メビー)」は、この分野での新たな取り組みを発表しました。2025年5月12日から、切削加工(角物)での新機能として「焼入れ」サービスが追加されることになりました。このサービス拡充により、従来の部品調達の在り方が大きく変わることが期待されています。
焼入れ機能の特徴
「meviy」では、特に摩耗耐性や硬度が求められる部品の調達が可能になりました。今回のシステム追加により、ユーザーは「ズブ焼入れ」および「真空焼入れ」という二種類の焼入れ方法を利用できるようになります。
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ズブ焼入れ:この方法では、金属の内部まで熱を加え、全体を硬化させます。これにより、引っ張りや圧縮に対する耐性が強化されます。
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真空焼入れ:真空環境で金属を加熱し、急速に冷却するこの方法は、酸化による劣化を防ぎつつ、優れた仕上がりが得られます。これにより、均一な硬度を得ることができ、特に高い評価を受けています。
この新サービスの導入は、多くの企業からのニーズにお応えする形で実現しました。従来の部品調達においては、納期が長く不安定であることが多かったのですが、meviyのシステムによってリードタイムが最短9日まで短縮されることが可能になったのです。
従来のプロセスの課題
産業機械の部品調達では、熱処理を施す工程が必要でしたが、これには紙図面の作成や納品までの長いリードタイムが伴い、結果として生産性が低下する原因となっていました。これに悩む多くの顧客から「meviyで焼入れに対応してほしい」という声が上がっていた背景があります。特に切削丸物では先行して焼入れに対応していたことから、今回の切削角物へのシステム追加も期待されるものでした。
スムーズな部品調達の実現
「meviy」では、AIを用いた即時見積もりが可能で、3Dデータのアップロードのみで迅速な部品調達を実現しています。その結果、顧客の手間を大幅に軽減し、効率的な部品調達へとつながっています。さらに、切削丸物で得たデータとノウハウをもとに、今回の角物についても最適化されたシステムが整備され、ユーザーは迅速かつ信頼性の高い調達が期待できるようになったのです。
お客様の生産性向上に貢献
「meviy」の焼入れ機能追加によって、今まで調達が難しかった摩耗耐性の高い部品でも短納期での提供が実現しました。これにより、ユーザーは他社との競争力を高め、さらには生産性の向上にも繋がると考えられています。ミスミは今後もサービスの向上に注力し、グローバルにおいて時間価値を提供していく方針です。部品調達に新たな風を吹き込む「meviy」の今後に期待が寄せられます。
まとめ
新しい「meviy」の焼入れサービスは、切削加工を行う多くの企業にとって、大きな利点をもたらすでしょう。短納期での部品調達は、業界の生産性向上に貢献すると共に、競争力を高める要素となるに違いありません。熱処理のニーズに応えるこのサービスは、今後の製造業にとって重要な役割を果たすことでしょう。