AI活用時代のBtoB営業に求められる「対人力」と独自データの利用法
近年、生成AIの導入が急速に進み、BtoB営業環境にも大きな変革をもたらしています。共同取り組みを通じて営業効率が向上する中で、顧客との関係構築においても新たな技術がプラスの影響を与えています。株式会社エムエム総研が行った調査によると、約7割の企業が営業活動で生成AIやAI技術を活用しており、その成果も見え始めていますが、依然として企業間での実力差が懸念されています。
AIは当たり前、でも差がつく理由とは?
生成AIが導入されることで、これまでの営業手法が大きく変わっています。しかしその一方で、商談化率や受注率の実績には企業間での大きな違いが残されています。この差は何から生まれているのでしょうか。調査結果をもとに、実際の営業活動で生成AIや独自データがどのように活用されているかを見ていきましょう。
1. 生成AI活用の実態
調査によれば、約7割の営業部門が生成AIやAI技術を利用していると回答しています。特に、従業員数1,000人以上の企業では「よく活用している」と答えた割合が34.4%に達しましたが、中小企業では「まったく活用していない」と回答した割合が17.5%も見られます。このように、企業サイズによってAIの活用状況には明らかな違いがあります。
さらに、どのような生成AIツールが選ばれているかも興味深いデータです。汎用AI(例えば、ChatGPTやClaudeなど)が67.5%の企業で使用されていることが示されており、使い勝手の良さが一因と考えられます。
2. 顧客データの重要性と課題
顧客データの取得・活用の重要性に関しては、約90%の業(実務担当者)が「非常に重要」と回答していますが、実際の活用段階では課題が多いのが現状です。具体的には、データの設計や取得は行えても、活用に至るまでのプロセスにおいて多くの企業が壁に突き当たっている見受けられます。
データ取得によって得られる情報の大半は、連絡先や購買履歴などの比較的取得しやすいものですが、より深い顧客理解に必要な情報の蓄積は依然として不足していると言えます。各部門での情報収集にも違いがあり、営業部門では商談プロセスが重視される傾向が見られますが、インサイドセールスやカスタマーサポートの領域では購買データが中心になっています。
3. 「ヒアリング」と「対人力」の重要性
また、調査によると、独自顧客データの取得・蓄積を強化するためには「顧客との会話を通じて情報を引き出すスキル」が求められるとの声が多く上がっています。これは単にデータを集めるだけでなく、顧客との信頼関係を構築する過程においても重要な要素です。
営業担当者の対人スキルが強化されることで、ニーズをより深く理解し、競合他社との差別化を図ることが可能になります。このようなスキルは、単に業務効率を高めるだけでなく、顧客との良好な関係性を築くためにも欠かせない要素です。
結論
今回の調査を通じてBtoB営業現場における生成AIの活用状況と、顧客データマネジメントの現実が明らかになりました。AIを活用して業務を効率化するだけでなく、顧客との対話によって得られる独自のデータを最大限に活かす為には、営業担当者の対人力が一層重要となるでしょう。今後のAI時代において求められるのは、システムの導入だけでなく、それを使いこなせる人材の育成だと感じています。更なる成長を目指す企業にとって、これらのスキル向上は避けて通れない道と言えるでしょう。