廃食油から航空燃料へー鳥貴族とENEOSの連携
大阪を拠点とするエターナルホスピタリティグループの傘下企業、エターナルホスピタリティジャパンは、ENEOS株式会社との間に新たな連携協定書を締結しました。この協定の目的は、同社が展開する焼鳥チェーン「鳥貴族」で発生する廃食油を持続可能な航空燃料(SAF)の原材料として活用することです。この取り組みは、航空業界の脱炭素化を支援するための重要な一歩となります。
取り組みの詳細
今回の連携協定により、鳥貴族の341店舗から排出される廃食油が回収され、ENEOSが計画している国内最大規模のバイオ燃料製造プラント(和歌山県有田市)において原材料として使用される予定です。このプロジェクトは、飛行機の燃料として使われる航空燃料を持続可能な方法で生産することを目的としています。SAFは従来のジェット燃料と違い、バイオマスや廃食油を主成分としており、炭素排出量を大幅に削減できるのが特徴です。
このプロジェクトは、エターナルホスピタリティグループが掲げる「焼鳥屋で世の中を明るくする」という企業理念に基づいています。廃食油の再利用を通じて、環境への貢献を果たし、持続可能な社会の実現を目指します。
鳥貴族の魅力
「鳥貴族」は、1985年に大阪で創業し、390円均一のお手頃価格で焼鳥を楽しめる店舗として人気を博しています。特に名物メニュー「貴族焼」は圧倒的な支持を受けており、全国で661店舗を展開中。2014年からは国産食材の使用比率を高め、2016年からは100%国産化を実現するなど、品質にもこだわっています。
「鳥貴族」では、料理だけでなく環境への配慮も重要視しています。今回の廃食油の再利用は、その一環として行われており、今後も地域社会や環境への貢献を続けていく意向です。また、「鳥貴族」は、歓楽街にふさわしい賑やかさを保ちながら、地域密着型で運営されているため、地元の人々にとっても馴染み深い存在となっています。
ENEOSの役割
ENEOSは、日本国内での石油製品の精製や販売、また水素供給など幅広い事業を展開する大手企業です。今回の連携により、ENEOSはバイオ燃料の製造プラントを通じて、循環型社会の実現に向けた取り組みを加速させることが期待されています。これにより、持続可能な航空燃料の供給に貢献し、航空業界全体の脱炭素化を促進する重要な役割を果たします。
最後に
廃食油の再活用は、環境保護の観点からも非常に意義があります。エターナルホスピタリティジャパンとENEOSの連携は、廃棄物の削減と新たなエネルギー資源の創出を結びつける取り組みとして、今後のビジネスモデルの参考になります。このプロジェクトが成功裏に進展することで、さらなる持続可能な社会の実現に寄与できることを期待しています。