新しい水産業の形
2025-06-18 13:45:29

サステナブルな水産業を目指す新たな挑戦と成果

サステナブルな水産業を目指す新たな挑戦と成果



近年、水産資源の持続可能性が重要なテーマとなっています。その中で、株式会社FOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)、尾鷲物産株式会社、ヤンマーホールディングス株式会社の3社は、サステナブルな養殖業を確立するため、2025年6月より共同で遠隔自動給餌システムの実証試験を開始します。この取り組みは、ブリ養殖を中心に展開され、持続可能な水産業の未来を見据えた画期的な試みとなっています。

養殖業の現状と課題



養殖業は、天然資源に依存しない水産物の供給源としてその重要性が高まっています。しかし、ここ数年で人手不足や製造コストの上昇、夏季の海水温の上昇による漁獲量の減少といった課題に直面しています。特に、エネルギーコストの高騰が生産効率に影響を及ぼす中、いかにして効率的な給餌を行い、魚の健康を保つかが養殖業者にとっての急務です。

今回、ヤンマーHDが開発した遠隔自動給餌システムは、革新的な海水と餌を混ぜ合わせる技術を取り入れており、これによりエネルギーコストの低減が期待されています。このシステムは、将来の沈下式生簀への適用も視野に入れた設計となっています。まずは、三重県尾鷲市にある尾鷲物産のブリ養殖場で、年間約60万尾を生産する試みが行われる予定です。

実証試験の概要と進行



この共同実証試験は、以下の概要で行われます。
  • - 場所: 尾鷲物産株式会社尾鷲養殖場(三重県尾鷲市)
  • - 期間: 2025年6月から2026年1月(予定)
  • - 対象: 約14,000尾のブリ

このプロジェクトでは、各社がそれぞれの強みを活かして役割を分担します。F&LCは、養殖されたブリの食味や品質評価を担当し、尾鷲物産は養殖場の管理と育成を行います。また、ヤンマーHDは、遠隔自動給餌システムの運用やデータ分析を実施します。

サステナブルな未来を目指して



F&LCは「変えよう、毎日の美味しさを。広めよう、世界に喜びを。」というビジョンを掲げています。サステナブルな水産業を実現するためには、適正な天然魚の利用と養殖事業者との連携が不可欠です。これにより、安定した水産物の調達を目指して取り組んでいます。

尾鷲物産もまた地域の特性に応じた先進的な養殖技術の開発を進めており、マーケットのニーズに応えた持続的な供給を実現しています。一方、ヤンマーグループは、持続可能な社会を目指して「食の恵みを安心して享受できる社会」の実現に取り組んでいます。

技術革新がもたらす養殖業の進化



特に注目すべきは、ヤンマーグループが持つ先進的な養殖関連技術です。魚影を撮影する専用の水中カメラで得られたデータを元に、画像認識技術を活用して魚の数や体重を自動計測するシステムを開発しています。これにより、養殖の効率が向上し、管理の負担が軽減されます。

さらに、遠隔操縦技術を用いた給餌システムにより、複数の生簀に効率的に給餌が可能となります。こうした技術革新が、養殖業の生産性を向上させ、持続可能な水産業の確立へとつながるのです。

未来への期待



この実証試験から得られるデータや成果は、水産業全体において持続可能な経営モデルの創出に寄与することが期待されています。F&LCが運営する「スシロー」などの店舗では、2026年中に養殖されたブリが販売予定で、顧客に高品質な水産物を提供する取り組みが進められます。

持続可能な水産業の実現に向けたこのプロジェクトは、地域経済の活性化だけでなく、私たちの食卓にも新しい選択肢をもたらすでしょう。サステナブルな養殖業の未来に向け、私たちの期待が高まっています。


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