製造業の現場を支える「SynQ Remote」
製造業が抱えるコミュニケーションや業務の効率化に役立つ新たなツールが登場しました。それが、福岡県北九州市に本社を置く株式会社クアンドが開発した「SynQ Remote(シンクリモート)」です。このツールは、業務の現場でのリアルタイム接続を実現し、技術者不足や労働力不足に対応すべく設計されています。特に、複数の拠点にまたがる情報共有や、現地作業者とのリアルタイムなやり取りが、より円滑になることで生産性向上が期待されています。
展示会での体験型ブース
「SynQ Remote」は、2025年7月23日から25日まで、東京ビッグサイトで開催される「メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2025」に出展されます。展示ブースは、来場者が実際にツールを「見て、触れて、使える」体験型の形式で設計されています。この展示では、大型サイネージを用いて、プラント設備の点検や保守作業のシーンが具体的にイメージ出来るようデモンストレーションが行われる予定です。さらに、遠隔での通信安定性やシンプルな操作性といった、現場のニーズに合った特徴も体感できます。
新機能「留守録」と「やりとり」機能
SynQ Remoteには、特に業務の負担を軽減するために新たに導入された「留守録」と「やりとり」機能があります。この機能では、相手が通話に応じられない際でも映像メッセージをチャットで共有することが可能になります。例えば、夜間の作業を担当したスタッフが異常を見つけた場合、映像でその状況を示しながら、翌日の上司に報告を行えます。これにより、上司は現場に行く前に情報を確認し、必要に応じて指示を出すことができます。このように、業務の柔軟性が増すことで、作業効率の向上も実現されるのです。
リモート監査によるコスト削減
具体的な導入事例として、ある製造業の企業では、国内外での工場監査を行う際に、これまで多くの人員が現地へ出張していました。しかし、SynQ Remoteの導入後、監査に必要な人数を大幅に削減でき、必要な時に遠隔からの接続でリアルタイムに査察ができるようになりました。この結果、出張にかかるコストは3分の1以下に抑えることができました。特に海外の工場では、これまで1回の査察で100万円を超える出費があったものが改善され、業務の効率化にも寄与しています。
ノンバーバルコミュニケーションの促進
「SynQ Remote」の活用により、技術者からの指示が映像として残るため、情報捕捉の精度も向上します。従来の電話では伝えられない細かな情報を映像で確認できることから、作業士と技術者の間でより明確なコミュニケーションが実現されるのです。例えば、突発的な不具合が発生した際、現場作業員がリアルタイムで状況を映し出し、技術者が適切なアドバイスを行うことで、トラブルシューティングが早期化します。
会社概要と今後の展望
株式会社クアンドは「地域産業・レガシー産業のアップデート」をミッションに掲げ、地域のニーズに合ったソリューションを提供しています。2020年にリリースされた「SynQ Remote」は、DXを通じて業務の効率化を図ることで、日本の製造業の現場に新たな風をもたらしています。今後もさまざまな業種での導入が期待されており、さらなる展開が待たれる企業です。公式サイトでは、詳しい情報が公開されていますので、ぜひチェックしてみてください。