教育現場における生成AIの実態調査
社会構想大学院大学の中川教授と上越教育大学の榊原教授からなる研究チームが、生成AIの教育利用に関する実態調査を発表しました。この調査は、特に小中学校においてブラウザAI要約がどのように活用されているかを明らかにすることを目的としています。
調査の背景
GIGAスクール構想により情報端末の使用が普及している昨今、児童や生徒による生成AI利用が広がっています。その中でも、生成AIによる「ブラウザAI要約」が重要な焦点として取り上げられており、教育現場におけるその影響や教員の指導方法に関する実態が求められていました。
調査概要
調査は2025年10月下旬から11月下旬にかけて行われ、関東や近畿、北陸の複数地域の小学校や中学校から合計1,090名の教員が回答しました。調査手法としてはGoogleフォームを使用し、教員が自己申告による自由記述も選択できる形式です。
調査結果の概要
調査結果によれば、教員の71.5%がブラウザ検索を調べ学習に活用したと回答する一方で、ブラウザAI要約を推奨する教員はわずか10.1%にとどまりました。ほとんどの教員(84%)は、児童生徒の自発的なAI要約の使用が懸念されるとの見解を示しています。
特に、中学校においては51.3%の生徒が教師の指示なくAIを利用し、34.7%は要約内容をそのまま用いているとの結果が出ました。
問題点
このような状況を受けて、教員たちは生成AIの利用を「推奨しない」立場を取りながらも生徒が自主的に利用する「シャドー利用」が拡大している現実が浮き彫りになっています。生成AIによる情報収集が「検索→AI要約の丸写し」というプロセスに陥り、必要な情報整理が行われない懸念が指摘されています。
今後の提案
調査チームは「深い学び」を促進するための具体策を提案しています。具体的には、1)生成AIによる要約の一次情報源を確認するプロセスの導入、2)参照・比較した情報を提出物に盛り込むこと、3)AIの出力を「参考の一つ」として扱う姿勢を育むことが重視されています。
まとめ
生成AIが学びの支援ツールとして広がる中、教育現場ではその利用方法や教員の指導方針が重要な課題となっています。この調査の詳細な報告は、2025年12月27日発行の『月刊先端教育』に掲載予定です。教育関係者にとっては、AIを活用した未来の学びを考えるための貴重な資料となるでしょう。