株式会社タムロン、世界初の耐熱性チップ型近赤外光源を実用化
株式会社タムロンは、国立大学法人 大阪大学の髙原淳一教授との共同研究によって、世界初の耐熱性を兼ね備えたチップ型の次世代光源、「MIM構造を用いたメタサーフェス近赤外光源」の実用化に成功しました。これが実現することで、これまでの大型で持ち運びが難しかった近赤外光源装置が、手軽に運べるハンディサイズに進化します。
新技術の背後にある課題
近赤外光は非破壊で物質の成分や状態を分析できるため、医療やさまざまな産業での需要が増しています。しかし、従来の光源装置は、エネルギーロスや発熱、冷却装置の必要性によって大型化するという課題がありました。このため、新たな分光分析用の光源が求められていたのです。
MIM構造の特徴
新たに実用化された「MIM構造」とは、金属-絶縁体-金属の三層からなる構造で、極めて薄型かつ軽量です。この光源は効率よく必要な波長の近赤外光を放出できるため、電力使用量の大幅削減や装置のコンパクト化が可能です。しかし、高温に達すると材料の劣化が生じることが問題であり、これが実用化への大きな阻害要因でした。
熱マネジメント技術の応用
タムロンは、長年の「GMレンズ」製造で培ってきた熱処理技術を応用し、高温に耐える独自の技術を開発。これにより、次世代のチップ型近赤外光源の実用化に成功しました。この光源は、薄型で軽量ながらも、広範囲の近赤外波長を放出できるため、携帯型の非破壊検査機器への搭載が実現します。
幅広い産業への貢献
具体的な応用としては、美容・ヘルスケア分野での肌状態や血流測定、食品・農業・漁業分野での糖度や水分の非破壊測定、さらには建物の構造劣化診断など、幅広い産業において多様な分析ニーズに応えることが期待されています。
イベントと今後の展開
この新技術については、7月3日に開催される「赤外線アレイセンサフォーラム2026」にて講演を行い、サンプルの展示も予定しています。2026年秋からは商業用サンプルの提供も開始される見込みです。
検索の便利さ
近赤外光の波長域は約700~2500nmで、水分や糖度、脂質などの分析に広く使用されています。タムロンは、光学技術とAI・画像処理技術を融合させた総合的なセンシングソリューション企業へと進化を目指し、環境への配慮を忘れずに事業を展開しています。
今後もタムロンは、光学技術の深化を追求しつつ、「撮り、測り、つなぐ。人と自然の健康を創造する企業へ」として、さらなる挑戦を続けていく所存です。
詳細な情報や商品については、公式ホームページをご覧ください。