SaaSのBCP実態
2026-09-09 11:19:11

SaaS企業のシステム停止リスクと事業継続方針の実態調査結果

SaaS企業のシステム停止リスクと事業継続方針の実態調査結果



株式会社ISOプロは、BtoB向けのSaaS企業におけるシステム停止リスクや事業継続計画(BCP)の実態を調査しました。調査対象は経営者やシステム責任者で、1,021名が参加しました。近年、DXの進展により、SaaSやクラウドサービスの重要性が高まっていますが、それに伴ってシステム停止のリスクも顕在化しています。

システム停止を引き起こす要因



調査の結果、企業が感じるシステム停止のリスクとして、最も多かった回答は「サイバー攻撃」で58.6%を占めました。次いで「自然災害」や「気象災害」が続き、特にサイバーセキュリティに関する懸念が強まりつつあることが分かりました。顧客の業務に直接的な影響を与えるSaaSにとって、これらのリスクへの備えは不可欠です。

BCP策定の遅れはリソース不足



ISO27001については、約80%の企業が取得または準備中である一方で、BCPの策定状況を見ると、「策定済み」と答えた企業は45%に留まりました。専門知識や人材の不足、業務の忙しさが主な理由であることが確認され、BCPの重要性は認識されつつも、実行に移すには障壁が存在していることがうかがえます。

BCP策定の目的としては、SLAの違反や顧客からの信頼失墜を回避することが最も重要視されており、この点からも顧客への配慮が企業の優先事項であることが示されています。しかし、策定の過程でどれだけ自社の組織運営に実効性を持たせられるか、その進捗に懸念が寄せられています。

組織としての運用体制の必要性



BCPを策定した企業の約6割が「組織的な対応には課題がある」と指摘しています。特に災害時の顧客対応や人的リソースの確保などに不安を抱く企業が多く、これがBCPの実効性に影響を与える要因となっています。具体的には、顧客サポートの維持や、特定の担当者が被災した際の代替要員確保などが挙げられます。

一方でBCPを更新し、最新の状況に対応するためには定期的な訓練や仕様変更に追随する体制の構築が求められます。これにより、形骸化を防ぎ、実効性を持たせる運用が可能になるでしょう。

システム復旧と組織的対応の両立



BCPの策定において、技術的なシステム復旧だけでなく、サポート体制や社内の意思決定を含めた組織的な運用が求められています。調査結果からは、多くの企業がシステム復旧手順には自信を持っている一方で、実際の顧客対応や組織の対応に関しては課題を抱えていることが浮き彫りになりました。

BtoBのSaaS企業は、顧客の業務に直結するため、システムが無事でも顧客とのコミュニケーションが途絶えてしまうことは重大なリスクです。迅速な情報提供や支援の継続が求められます。

結論



企業には、単にシステムを復旧させるだけでなく、災害時にどういう対応をするのか、顧客とのコミュニケーションをいかに維持するかといった包括的なマネジメント体制の確立が急務であるといえます。既存の枠組みを見直し、ISO22301などの導入を通じて、有効なBCPを構築することが求められています。


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