福岡の医療機関が進める、デジタル化による新しい患者コミュニケーションモデル
福岡市の株式会社レイヤードは、地域医療の課題解決を目的に、公立八女総合病院(八女市)や友愛医療センター(沖縄県)、角田病院(群馬県)と連携し、患者コミュニケーションのデジタル化(DX)を進めています。これは日々の診療における医療従事者の負担を軽減し、患者体験を向上させることを目指した新たな試みです。
医療現場の課題
医療現場では、患者への説明やカルテの記録、同意の取得といった業務に多くの時間と労力がかかります。特に地域医療においては人材不足が深刻な問題となっており、診療の現場では限られた人員で多くの患者に対応する必要があります。これにより、業務負荷が一層高まっています。さらに、手術や検査に関する高度な説明が求められるため、医療者には多くの時間と労力が必要とされます。
従来の方法では、医療者がすべての業務を手動で対応せざるを得ず、デジタル技術を活用しない限り業務効率は上がりませんでした。そこで、効果的なデジタル技術を導入する必要があるとされています。
レイヤードの取り組み
レイヤードは、地域医療を支えるために、患者コミュニケーションの全体最適化を目指したDXの実践モデルを構築しました。この取り組みでは、以下の施策が導入されています:
1.
患者説明に関する動画の活用
患者向けの手術説明動画を制作し、診察前に閲覧してもらうことで、診察時には補足説明や質疑応答に時間を割けるようにしました。
2.
音声認識AIによるカルテ記録
患者との対話を音声認識AIによって自動記録し、医療者が手動で記録する手間を軽減しています。
3.
電子同意書の導入
手術同意書を電子化し、患者が事前に内容を確認可能にすることで、医療者の説明時間を大幅に短縮しました。
これにより、各病院の業務プロセスが最適化し、医療現場の効率が向上しました。
各病院の成果
1. 角田病院
電子同意書の導入により、医師の説明業務は約10分から2分に短縮。患者が事前に理解不十分な箇所を把握し、その情報を基に説明を行うことで、説明の効率と患者の理解度を向上させました。
2. 友愛医療センター
音声認識AIを活用し、カルテ記録の時間が20〜30分から2〜3分に短縮され、信頼性の高い記録が実現。患者との対話内容を正確に記録し、医療従事者全体の業務負担が軽減されました。
3. 公立八女総合病院
手術説明動画を導入し、医師の説明時間が約3分短縮。事前に視聴してもらうことで、診察時の理解を前提にした質疑応答に注力できるようになりました。
今後の展望
レイヤードは、今回の成功を基にさらに多くの医療機関への展開を視野に入れた取り組みを進める予定です。このDXの実践モデルは、地域医療の質の向上と業務効率化を両立させることで、さらなる患者体験の向上を目指します。
この取り組みを通じて、福岡の医療がデジタル時代にどのように対応していくのか、今後も注目が集まります。