下水道点検ドローン
2025-06-03 11:59:20

北九州市が超狭小空間点検ドローンを用いて下水道管路調査を実施

北九州市が挑む下水道管路の新たな点検方法



2025年5月30日、北九州市で全国初となる超狭小空間点検ドローン「IBIS2」を使った「全国特別重点調査」が行われました。この調査は、岡野バルブ製造株式会社と、資本業務提携を結ぶLiberawareの共同プロジェクトで、老朽化が進む下水道インフラの検査体制をテクノロジーを駆使して構築することを目指しています。

1. 「全国特別重点調査」の背景



国土交通省のデータによると、2023年度末の日本全国の下水道管渠の総延長は約50万kmに達し、標準耐用年数を超えた管路が増加傾向にあります。特に、50年以上経過した管渠は約4万kmに上り、今後その数は増加し続ける見込みです。これに伴い、下水道管に関連する点検の体制強化が急務とされています。

実際、2025年1月には埼玉県八潮市で下水道管の老朽化が原因で道路が陥没する事故が発生し、国土交通省は緊急点検を各地域に要請しました。これらの事例からも、老朽化したインフラに対する点検体制の確立がいかに重要であるかがわかります。

北九州市上下水道局も、市民の安全を確保するために日常的に下水道管の維持管理に努めていますが、危険な場所や立ち入り困難なエリアでの点検が課題となっていました。これを受けて、今回の調査が実施される運びとなりました。

2. 超狭小空間点検ドローン「IBIS2」の役割



今回の調査では、北九州市内にある直径2m以上で設置から30年以上が経過した約54kmの下水道管が対象となりました。初日は小倉北区の西港郵便局近くで、直径2.7mの管の内部を点検しました。

ドローンを用いることで、従来の目視点検よりも効率的に調査を行うことが可能になりました。ドローンは、流域内の水位が1m弱といった人が侵入しづらい場所でもスムーズに機能します。また、点検時にはドローンから得られた動画を基に腐食やひび割れの確認を行いました。

従来の調査では、直径の大きな管の点検時に足場を設置する手間やコストが問題でしたが、20cm四方のドローンを使用することで、短時間での点検を実現しました。

3. 調査の進行と今後の展望



今回は、北九州市内の腐食しやすい部分も考慮し、約3kmにわたる優先調査が今夏までに完了予定です。その他の調査は2025年度内の完了を目指しています。そして、今後はこの点検手法を他の自治体にも展開し、全国的な下水道インフラの保全レベルの向上にも寄与していきたいと考えています。

4. 岡野バルブ製造株式会社の役割



岡野バルブ製造株式会社は1926年に設立以来、発電プラント向けの高温高圧バルブの開発・製造を行ってきました。近年はDXや地域振興に力を入れ、社会における新たな潮流を受け入れ、様々な分野での取り組みを進めています。今回のドローン点検調査もその一環として位置づけられています。

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まとめ



北九州市で実施されたこの「全国特別重点調査」は、下水道インフラの点検に新たな風を吹き込む可能性を秘めています。未来の都市開発や地域インフラの安全確保のため、この取り組みが全国に広がることに期待が寄せられます。


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