佐賀県初のドローン点検！下水道管調査に「IBIS2」投入

佐賀市におけるインフラ点検の新たな一歩が、今年10月9日に実施されました。その主役として登場したのが、九電ドローンサービス株式会社（QDS）と株式会社Liberawareが共同開発した、特に狭所での点検に特化したドローン「IBIS2」です。この調査は、株式会社バイオテックスと連携する形で行われ、佐賀市初の狭小空間点検技術を駆使した試みとなりました。

ドローン「IBIS2」とは？

「IBIS2」は、そのコンパクトなサイズ（194mm×198.5mm×58mm）と軽量（243g）設計を誇り、狭域や暗所でもスムーズに飛行できる能力を持っています。この小型ドローンは、下水道管のような過酷な環境でも安定した映像を撮影でき、その映像は後の維持管理に非常に役立つのです。さらに、GPSが届かない場所でも電波中継器を使用することで安定した飛行が可能となり、点検作業の精度が向上します。

背景と調査の必要性

近年、佐賀市も例外ではなく、老朽化した下水道インフラの維持管理が求められています。特に、腐食や破損のリスクが高い個所に対しては定期的な点検が必要です。従来の目視検査方式では検出が難しい問題やリスクも多く存在しましたが、「IBIS2」を導入することで精緻なデータを集め、直接的な対策を講じることが可能になりました。これにより市民の安全な生活が成り立つ基盤を整備する取り組みが期待されています。

調査の詳細とその成果

今回の調査は、佐賀市神野地区の直径1.2mの下水道管（約270m）を対象に行われ、IBIS2が活躍しました。ドローンが取得した映像は、腐食や亀裂、さらには堆積物の状況を確認できるレベルまで精度が高く、今後の維持管理計画に重要な情報を提供します。また、作業員の安全を守りつつ、作業時間を大幅に短縮することにも寄与すると期待されています。

使われた技術の進歩

IBIS2では、集められたデータをもとに3Dモデルを作成することも可能です。これにより、視覚的な理解を深めながら下水道管の全体的な健康状態を把握できることが大きな強みです。また、点群データを活用することで、複雑な形状や今回の点検対象の特長を効率よく把握することができるのも魅力のひとつです。

佐賀市上下水道局コメント

佐賀市上下水道局の担当者は、今回の取り組みに対して「全国的に老朽化が進む下水道管の維持管理において、安全性と効率性を両立した点検手法が必要です。最新ドローン技術を活用することで、より詳細な調査が可能になりました」とコメントしています。これは地域のインフラを守るための重要なステップであり、今後も新しい技術を積極的に導入していく方針が示されています。

まとめ

今回の下水道管内部調査は、狭小空間に特化したIBIS2がその力を最大限発揮した結果となりました。LiberawareやQDS、さらにバイオテックスなどの企業の連携により、今後もこのような先進技術が地域社会に役立つ場面が増えていくことが期待されます。地域インフラの維持管理の進化は、市民の安心・安全な暮らしを支えるための重要な柱と言えるでしょう。

今後の進展に期待が高まります。