福岡発!「IoTKit」オープンソース化の全貌
福岡県北九州市に本社を置くPinkieTech株式会社が、製造業の現場で利用される新しいIoT収集基盤「IoTKit」をオープンソースソフトウェアとして公開しました。この「IoTKit」は、現場でのセンサーデータを外部のクラウドに依存せず、自社内で完結して処理し、保管できる機能を持っています。
IoTKitの開発背景
製造業界では、さまざまなメーカーや通信方式の異なるセンサーが使用されており、新たなセンサーの追加にあたっては、通信処理からデータの保存、再送、障害復旧、認証の実装が求められます。このプロセスは、開発や保守の負担を大きくし、加えてネットワーク障害や電源断の際には、取得したデータの保存状況を判別できず、意図しないデータ欠損を引き起こす原因になります。
PinkieTechは、この課題を解決するために、IoT導入支援キットを参考にし、運用中に発生するさまざまな問題に対処できるような独自のIoT収集基盤を設計しました。これにより、専門知識がないユーザーでも簡単にIoTに取り組める環境が整います。
IoTKitの主な特徴
IoTKitには、次のような魅力的な機能があります。
1.
データ保持の信頼性
通信断や電源断の際にも、収集したデータをローカルに保存し、ネットワークが復旧するまで元のデータを消さない仕組みが構築されています。これにより、データの欠損を最小限に抑えることが可能となります。
2.
オンプレミスでのデータ管理
IoTKitは、データを自社内で完結させる設計となっており、機密性の高い生産データを外部に出す必要がありません。このため、インターネット接続が制限されている現場でも安全に活用できます。
3.
センサー統合の容易さ
新しいセンサーの対応は、通信と測定値の変換を行う「Adapter」を実装するだけで済むため、開発負担が軽減されます。共通の仕組みで信頼性機能を利用できるため、センサー毎に一から作り直す必要がありません。
4.
アプリケーション連携
収集されたデータには意味を設定でき、必要な形で設備監視や生産管理システムに出力可能です。これにより、現場のニーズに応じた柔軟なデータ活用が実現します。
具体的な活用シナリオ
IoTKitを用いた活用例は多岐にわたります。温度センサーを使った異常検知や、コンベア上での搬送物の自動計測、設備の稼働状態の可視化など、実際の製造現場でのニーズに応じた利用が可能です。
参加者募集と今後の展望
PinkieTechでは、IoTKitを導入を検討する企業からのPoC(実証実験)に関する相談を受け付けています。さらに、実データ収集に協力していただける企業も募集しており、実際の現場での検証を通じてIoTKitを進化させていくことを目指しています。
また、今後は導入にあたってのフォローや、センサーの設定管理などの機能を充実させ、より多くの組織に導入してもらうための体制を整えていきます。利用者や開発者からのフィードバックをもとに、IoTKitをより良いものに育てていく方針です。
代表のコメント
「現場で直しながら使い続けられる仕組みを作るためには多くの時間がかかります。福岡工業技術センターの成果を基に、信頼性を誰もが共有できる形へと進化させました。このOSSを活用し、現場で役立つものに育てていきたい」と、PinkieTech代表の渡部健太氏は述べています。
会社情報
PinkieTech株式会社は、働く人々の課題を解決するべく、AI・IoT・OSSを組み合わせたエンジニアリングを行っています。詳細は公式ウェブサイトやGitHubで確認できます。興味がある方はぜひご連絡ください。
福岡から、新しいデータ収集の形を築いていく「IoTKit」。今後の展開から目が離せません。