DX推進の盲点! kintoneと電子契約の分断がもたらす課題とは
最近、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が各企業で叫ばれていますが、実はその過程において、使いやすさを期待されるツールが逆に業務を複雑化させるという矛盾が存在しています。
調査の背景と目的
トヨクモ株式会社は、業務用のクラウドサービスを提供する企業として、最近「kintone利用企業における契約業務の実態調査」を実施しました。調査対象はkintoneを利用し、かつ電子契約サービスを導入している但し連携していない企業の担当者106名です。この調査を通じて、DX化が生む新たな課題、具体的には「ツール間の分断」が業務にどのような影響を与えているのかを明らかにしました。
調査結果の概要
結果は興味深いもので、約39.6%の担当者がkintoneと電子契約サービスの両方を確認する二重チェックを行っていることがわかりました。この背景には、ツール間の情報が分断されており、確認作業が増加しているという実態があります。なんと46.2%の人が「月に数回以上」この二重確認を実施しており、これが新たなボトルネックとなっているのです。
さらに、約25%の回答者が「Excelでの手動管理」を行っており、公式な業務管理から脱却し、シャドーIT化のリスクを引き起こしています。結果として、業務の非効率化が進んでいるだけでなく、本来のDX推進から逆行するような状況が生まれているのです。
ツール間の分断がもたらす法務リスク
業務で最も問題視されているのは、データの不整合です。調査では、50.0%の担当者が「どのデータが最新か不明」だと感じています。この不明瞭さは誤った情報の参照を引き起こし、法務リスクを高める要因となっています。このような状況は現場のみならず、企業全体にも影響を及ぼす重大な問題です。
解決策と今後の展望
トヨクモは、この問題を解決するために情報の分断を乗り越え、システム間の連携を強化することを提唱しています。具体的には、kintone連携サービス「PrintCreator」を使用して、クイックな契約書の生成と締結後の管理を自動化することが重要だと考えています。このプロセスを実現することで、業務の非効率性を排除し、クリエイティブな業務に専念する環境を整えることが可能です。
代表者の意見
トヨクモの代表取締役社長である山本裕次氏は、「便利なツールが分断されている現状では業務が非効率なルーチンに戻ってしまう。必要なのは、ツールを適切に統合し、現場の負担を軽減すること」と述べています。特に、kintone内のデータを「唯一の真実」とし、使用することで効率的な業務運営を実現しようとしています。
まとめ
この調査は、単にツールを導入するだけでは ROI(投資対効果)が最大化されず、むしろ管理コストが増大するリスクがあることを教えてくれます。特に契約業務のような重要な領域において、データの一元化がなされない限り、DXの真の成功は得られません。今後は、システムの統合を進め、多くの企業が生産性向上を実現できるよう、トヨクモは引き続きサービス開発に力を入れていきます。