福岡のクリエイティブシーンに新風を巻き起こす産学連携
2025年10月24日、福岡デザイン&テクノロジー専門学校と株式会社アクアスターの産学連携プロジェクトの最終発表会がオンラインで行われました。このプロジェクトには、同校のコミックイラスト&マンガ専攻の2年生32名が参加し、約4ヶ月にわたり制作に取り組んできた成果が披露されました。
最優秀賞を獲得したのは眞田あかりさんと矢野瑞季さん。彼女たちの作品は、アクアスターが展開するキャラクターカード型のコミュニケーションツール『裏銀座九十九番通り』に実装されることが決定しました。この作品は、銀座の裏通りにある骨董品屋を舞台にしており、付喪神のキャラクターカードを集めることで、物語を楽しむことができる新感覚の体験を提供します。
受賞者の感想
受賞後、眞田さんは「キャラクターデザインが苦手だったが、このプロジェクトを通じて楽しさを感じ、もっと魅力的なキャラクターを作ってみたいと思った」と語りました。また、矢野さんは「ターゲットに合わせてコンセプトを考えることが、デザインを決定する上で大切だと学び、試行錯誤する楽しさも感じられた」と言います。
このプロジェクトの目指すところは、“相手の意図を読み解き、ビジュアルに落とし込む力”を育むことです。近年ではSNSやチャットツールが普及しており、文脈を読み解く力が低下していると言われています。そのため、学生たちが実際の課題に挑み、企業に対して発表を行うことで、現場で必要なスキルを身につけることが期待されています。
アクアスターのビジョン
アクアスターのビジュアルワークス部の森裕之部長は、「学生たちの情熱から我々も多くの刺激を受けた」と述べ、クリエイターを応援するこのプロジェクトの意義を強調しました。また、福岡デザイン&テクノロジー専門学校の教務部林秀樹さんは、学生たちが「ビジュアルで解決する力」を意識して制作に取り組んだことを評価し、実践的な勉強ができたとしています。
福岡デザイン&テクノロジー専門学校の取組み
同校は「テクノロジーで創造力を仕事にする」をコンセプトに、ゲーム・クリエイター・最新テクノロジーなど、21の専攻を展開しています。約1300社との産学連携教育を行い、プロフェッショナルとして即戦力となる人材を育成しています。学生は実際のプロジェクトを通じて技術と実務経験を積むことで、より良いクリエイターになるべく日々努力しています。
今後の展望
最優秀作品が実装された『裏銀座九十九番通り』は、今後も多くの人々に楽しさを提供するコンテンツになることでしょう。2名の受賞者をはじめ、プロジェクトに参加した全ての学生がこの経験を通じて、今後のクリエイター活動において貴重な財産を得られることを期待しています。福岡のクリエイティブシーンに新たな風を吹き込むこの取り組みの今後が楽しみです。