関西地域の「三方よし」観光が生み出す持続可能な未来とは
2026年1月から2月にかけて、関西地域で特別な観光研修プログラムが実施されます。独立行政法人国際協力機構(JICA)の関西センターが主催し、開発途上国からの観光専門家たちが参加。彼らは、地域を元気にするための「持続可能な観光」について学び、実地研修を行います。
背景と目的
昨今、多くの開発途上国では観光産業が経済成長の要とされています。しかし、観光がもたらす利益が必ずしも地元住民に還元されるわけではなく、環境問題や地域住民の生活悪化といった深刻な課題も顕在化しています。そこで、今回の研修では、日本の近江商人に伝わる「三方よし」の哲学、つまり「売り手によし、買い手によし、世間によし」という考え方を基に、全ての人々が幸せになる観光モデルの構築を目指します。
プログラムの特長
研修では、滋賀県、大阪府、兵庫県、和歌山県を訪問します。注目すべき点は、地域の特性を大切にした観光開発に取り組んでいる事例を視察することです。これにより、大規模な開発を行うことなく、地域独自の魅力を活かした観光の進め方を学びます。
滋賀県:選ばれる地域への道
滋賀県では、著名な観光資源がなくても、外国人観光客を呼び寄せるための数々の取り組みが行われています。特に注目されるのが、農家民泊の体験です。研修参加者たちは東近江市で、農家に宿泊し、実際の農業活動や日本の家庭での生活を体験します。日本の田舎暮らしの魅力を体感する中で、ホストファミリーとの交流が生まれ、国際的な文化理解が促進されます。
さらに、滋賀県立大津商業高等学校の生徒たちと共にフィールドワークを通じて、地元の魅力を発掘。最終日には、外国人の視点から得た滋賀の魅力についてプレゼンテーションを行います。
大阪府:商店街全体がホテルに
次に、大阪府の東大阪市では、商店街を一つの大きなホテルとして捉えた「SEKAI HOTEL」の取り組みを視察します。このプロジェクトでは、空き家を利用し、地域の飲食店で食事を楽しむモデルを構築。これにより、地元経済への還元が実現し、住民との自然な交流が可能になります。
商店街が持つ地域コミュニティ機能は、途上国からの参加者にとって新しい学びの場となり、彼らの国における観光開発のヒントになることでしょう。
まとめ
「三方よし」の観光プログラムは、関西地方が持つ独自の文化や地域性を活かした持続可能な観光の在り方を模索しています。地域の人々にとっても喜ばれる観光モデルを通じて、2026年にはどのような成果が生まれるのか、期待が高まります。