台湾での落語公演:鈴々舎美馬の挑戦
福岡県に本拠を置く株式会社サプライズモールが制作した落語家・鈴々舎美馬(れいれいしゃ・みーま)氏の新作動画、「【落語家 海外】台湾で笑いを取れ!」が話題を呼んでいます。この動画では、美馬氏が台湾の台北市で落語会を開催し、日本の伝統芸能が異国の地でどれほど通用するのかを探ることとなります。
企画の背景
台湾人落語家・開楽亭凡笑(だいかいせい)氏との交流をきっかけにして、この公演が実現しました。美馬氏は、台湾の落語会で聞いた中国語の落語に感動し、自身も初めての海外公演に気合を入れました。選んだ演目は「かぼちゃ屋」、これは相模原の舞台で過去に悔しい経験をした噺で、再挑戦をすることで自身の成長を目指しました。
言葉を超えた笑い
美馬氏のパフォーマンスは、言語の壁を越えて観客の心を掴むものでした。通訳なしで日本語のまま演じられた落語は、表情や間(ま)、声の抑揚だけで笑いを生み出しました。また、美馬氏が台湾語で一言発するたびに会場は笑いに包まれ、そのタイミングや間の取り方が観客の心を掴む要因となりました。彼が「落語って、言葉じゃないんだ」と語る姿には、自信と感動が漂っていました。このように、台湾の舞台で生まれた瞬間は、まるで漫画『あかね噺』のストーリーがそのまま現実となったかのような印象を与えます。何事も挑戦することが人生であると美馬氏は示してくれました。
美馬氏の落語への熱意
台湾公演のような挑戦的な舞台だけでなく、美馬氏は“人生の節目”を祝う高座にも力を入れています。サプライズモールが手がける「メモリプラクゴ」では、高齢者の長寿祝いをテーマに、彼らの人生そのものを落語として描き出す独自のアプローチが話題となっています。この取り組みでは、美馬氏が家族や親族から聞き取ったエピソードをもとに、その人にしか語れない物語をユーモアを交えて高座で披露します。その結果、観客には笑いと感動の涙が生まれ、家族の絆を再認識する貴重な時間が広がります。
美馬氏は、「お祝いで笑いを届けるだけではなく、人生を芸として讃えることが落語の根本だ」と考えており、その実践を通じて、自身の成長を果たしています。落語は単なる伝統的な技芸にとどまらず、記憶を残す新たな表現へと進化しているのです。
鈴々舎美馬のプロフィール
神奈川県相模原市出身の落語家・鈴々舎美馬は、大学在学中に落語研究部に所属し、全日本学生落語選手権で入賞するなど活躍。大学卒業後、エステティック会社に勤務しながらも落語家としての夢を追い、2018年に師匠の元で修行を始めました。2019年には前座に昇進し、2023年には二ツ目に昇進するなど、着実にキャリアを築いています。 彼の成長は、台北公演の成功を乗り越えて、国内外でさらなる活動の場を広げる可能性が期待されています。
彼の公式YouTubeチャンネルでは、今回の台湾公演の様子や他の演目を楽しむことができます。ぜひ彼の活躍を応援し、感動のひとときを共にしてください。